ある女性患者さん(40歳前後)が「目の調子が悪い」とおっしゃって来院されました。
当院は整骨院ではありますが、一見守備範囲外と思われるような症状を訴えて来院される
方が多いです。今回の患者さんもそうです。
お話を伺うと、3~4年前から「目の焦点が合わず、像が2つに見える」症状が
出たので眼科に行って見たところ「分からない」と言われ、さらに脳神経外科で
MRI (エム・アール・アイ 磁気共鳴画像診断装置)で脳を調べてもらっても
「異常なし」「分からない」と言われ何のすべもなく今日まできた、とのことでした。
早速診てみると左の眼球が外側に向きにくいことが分かりました。
横目で見るときに働く神経(外転神経)が不調なのだと分かりました。
眼球を動かす筋肉は全部で6種類もあります。さらにその筋肉を動かす神経は
3種類あります。これらの筋肉と神経が微妙な共同作業をすることによって
物が正常に見えるのです。
このためこのうちの神経のなかでどれかひとつでも障害が起きると
物が二重に見えるような症状が起きるのです。
人間の体はまさに超精密機械です。
この時この患者さんは両耳に合計5個のピアスをしていましたので
全部外してもらい、もう一度横目の動作をしてもらったところ
なんと左の眼球がさっきよりも外側に動きやすくなっているのです。
もちろんこれで完全に良くなったわけではありませんが、
これだけで目の動きが幾分改善されたのです。これはわたしだけでなく
患者さんご本人も実感されました。
耳に付けているピアスが症状をさらに悪化させていたのです。
両耳合わせて5個のピアスをしていましたが、たった1個のピアスでも
身体にとって有害です。これは当院のホームページ(ここをクリックすると該当ページにリンクします)でも
書いているように患者さんにはいつも注意をしていることです。
この患者さんが来院されお話を聞いているうちに私はすぐにピーンときました。
私がごく最近この方とまったく同じ症状を体験したからです。
私事ではありますが皆さんの参考になればと思い私の体験をご紹介します。
ある日の夕方仕事が終わり街を歩いているときに、何だか物が見えにくいな~と
感じました。
翌朝起きて顔を洗い鏡を見ると何と自分の顔が2つに見えるのです。
外出の為に表に出ると景色が二重に見え、とても歩ける状態ではありませんでした。
一瞬脳の一部がやられたかな?という思いが頭をかすめましたが、眼の神経に
なんらかの菌かウィルスが入ったのだろうと思っていました。
一応脳神経外科でMRI(エム・アール・アイ)検査を受け、眼科で精密な検査を
してもらいましたが全て正常で問題点は見つかりませんでした。
「外転神経まひ」だろうとの診断でした。患者側からすればこれは治るのか?と
いうことになりますが、有効な治療法はなく自然に良くなるのを待つということしか
手だてはないとのことです。この時、ビタミンb12を処方されました。
この薬は末梢神経障害や悪性貧血の治療に用いられます。
これではいつ良くなるか分からないので私の師匠(当院の治療法である律動法の
創始者・茂木昭先生、周気堂治療室院長)に治療をお願いしました。
茂木先生の見立ては「食当たりの菌が目の神経に入った」とのことでした。
茂木先生はこの食当たりの菌が様々な障害の原因になっていることを突き止め
著効をあげておられます。
一般の人々には「食あたり」と聞くと「嘔吐・下痢」がすぐに思い浮かびますが
出現する症状はそれだけではないようです。
週に1回の治療をしていただいたところ、3か月目から急速に目の状態が
改善し車の運転も出来るようになりました。
茂木先生にはいつも助けられています。
今回来院したこの患者さんの障害の原因は私のケースと同じでした。
数回施術をして改善の兆しが見え始めたかどうかというところで
残念ながら遠方への引っ越しのため治療は中断ということになり、
引っ越し先の最寄りの「律動法」を実践している私の同僚を紹介して
おきました。
早く改善されることを祈っています。